インフルエンザは風邪とは違う

インフルエンザと風邪は全く別のものであるものの、その違いを完全に押さえていると言う人はそこまで多くありません。
ではこの二つはどう違うのかというと、まず大きな違いになるのは原因となるウイルスです。
風邪の場合は原因となるウイルスがライノウイルスやコロナウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルスといったようにさまざまなものがあるのに対し、インフルエンザの場合はインフルエンザウイルスだけが原因となります。
尤もA型やB型などの違いやA型にしても100種以上の亜型があるのですが、根本的なウイルスの違いというのは大きなポイントです。
また使用される薬についても大きな違いがあり、風邪薬は一般的に根本的な治療をする薬ではありません。
感染したウイルスが何か特定できていないのに効く薬を作るというのは途轍もなく難しいことであるため、風邪薬はのどの腫れや鼻水、咳といった症状を緩和する方向でアプローチをするのが一般的です。
「風邪の特効薬を作ることができればノーベル賞は間違いない」と言われるのはこのさまざまなウイルスに対して効果的に作用する有効成分というのが見つかっておらず、見つけることも極めて困難とされているからです。
それに対してインフルエンザの場合はウイルスが分かっているわけですから、特効薬と言って良い、特定のウイルスに対して効果を示す治療薬が存在しているのです。
そして最後に、これは多少ケースバイケースなところはありますが症状も大きく異なります。
風邪の場合はのどの痛みや咳、くしゃみ、鼻づまりなどが起きて時々熱が出るという程度ですが、インフルエンザの場合はそうした症状に加えてかなり高い熱と関節痛、筋肉痛などの症状が引き起こされます。
あとは風邪で死亡するケースはかなり稀ですが、インフルエンザは毎年死亡者が出ている身近でありながら恐ろしい病気であるというのを忘れないようにしましょう。